子どもたちの生活は『あそび』そのもの。遊びの中で学び育っていきます。
保育者は子どもにとって最も重要な環境の一つです。まずは、いつもそばにいる親しい人として信頼関係を築いていきます。ぼくの、わたしの、気持ちをわかってくれる、見守っていてくれる、 という安心感が子どもの自発性や探索意欲を生み出します。子ども自身が安心・安定感をよりどころに自ら動いたり触れたりして経験を広げ、失敗と成功を繰り返しながら自己肯定感を育みます。
安心できる大人との絆を結んだ子どもたちは、周りの人や子どもの存在に気づき関わろうとします。保育者が支えながら友だちとの関係をていねいに紡ぎます。小さな子ども社会の中でけんかや葛藤を経験しつつ一緒にルールや約束事を考え、友だちにも自分と違った考え方があることを知り、みんなで取り組んでいく楽しさや友だちとのつながりを「感じとる力」をつけていきます。
天気の良い日は自然に包まれ心も体も開放して遊びこみます。でこぼこ道や坂道、山道を歩いたり跳ねたり駆けまわったりする中でしなやかな体やバランス感覚が培われます。四季折々の自然が子どもたちの五感に働きかけ、空気・土・虫・花・小動物との出会いは「なんだろう」「どうして」「おもしろい」等々の気持ちをわき起こします。子どもたちの心が動いたとき、「頑張ってみよう」「試してみたい」「調べてみよう」と子どもたちの意欲が育つよう支援をします。
年齢に応じて、ままごと、なりきりあそび、積木、おえかき、折り紙、運動遊び、みずあそび、ルールのある遊び等いろいろな遊びの場を提供します。面白さや不思議さに気づき物の性質や仕組みを知り、思考力、コミュニケーション力、友だちといっしょが楽しい協同性が育っていきます。子どもは、毎日、遊びの中で学んでいます。
保育園生活を通して身近な生活習慣(信号を見て道路を渡る、食事の前に手を洗う、共有の物は友だちと話し合って使う等)も身についていきます。
食べることは生きること
「食」は人間にとってなくてはならない営みです。体も心も豊かに育てるために「食」を保育の中でも大切な柱にしています。たっぷり遊び空腹感を感じておいしく食べることで、心が安定し活気にあふれる生活ができることの喜びを知っていきます。
安心できる大人とともにゆったりと母乳やミルクを飲み、一人ひとりの段階に応じて離乳食を進め、食べる意欲の基礎を培っていきます。ご家庭とも話し合いながら無理なく形態、固さ、量、味を調整して新しく食する食材を増やしていき満1歳を目安に給食へと移行します。
調理・給食は保育園生活の大切な一部です。「食べることが好きな子に育ってほしい」という願いのもと、調理室では毎日、栄養士や調理師が腕を振るっています。調理室から園内にひろがるおいしい匂いとともに色合いや盛り付けの工夫をして食べたい気持ちを引き出します。子ども自身が自分の食べる量を調節しながら自分で盛り付ける経験もします。
旬の食材はおいしくて栄養がたっぷりなので四季を通じてふんだんに取り入れ、栄養摂取量の基準に沿って献立を立てます。素材やだしの味を生かした薄味をベースに一汁三菜の提供を心がけています。
伝統行事にちなんだ食事も考え、人々が食を通じて築き継承してきた文化に触れることも大切にしています。(七夕、中秋の名月、ひな祭り等)
子どもは大人に比べて消化吸収や排泄機能が未熟です。年齢に応じた十分なエネルギーと栄養素を摂るためにおやつも大事な食事ととらえボリュームと栄養のあるものを提供します。
友だちや保育者と一緒に対話を楽しみながら食べます。友だちがおいしそうに食べる様子は、少し苦手なものも「ちょっと食べてみようかな」の気持ちにさせてくれることもあります。一緒に食べる中であいさつや姿勢などの食事マナーも学び身につけていきます。
友だちや保育者とともに食べる楽しい食事は、何よりの心の栄養です。
園庭の畑やプランターできゅうり、トマト、稲、サツマイモ等季節の食物の世話をしながら、食物が土や雨、太陽の光などによって育つこと、野菜にも命があることに気づいていきます。種や苗から育て実った食物の収穫を友だちや保育者と喜び、調理室で調理してもらいます。命をいただくことへの感謝を味わいます。
豆や玉ねぎの皮むき等調理の過程を体験したり、毎日運ばれてくる調理前の野菜や果物、肉や魚などを目にしたりして食材や調理する人への感謝の気持ちを育みます。
保育園で給食を作っている人の話を聞く機会を持ち、食物や体のしくみ、栄養についての関心を深めていきます。作る人も子どもの食べている様子を実際にのぞきに行きます。「こんな風に作ったよ」と伝えたり「おほしさまみたい」「ちょっとにがて」「なんか いいにおい」と子どもたちの素直な感想や反応をうけとり会話を楽しんでいます。
アレルギー専門医の診断及び指示書に基づいて個々に対応します。栄養が偏らないようご家庭との話し合いも大切にしています。
元気に遊んだ後のお昼寝は、疲れやストレスがとれ情緒の安定にもつながります。
昼寝を含む睡眠は規則正しくとると自然に生活リズムがつくと期待できます。
特に、乳児期は一人ひとりの一日のリズムを把握して「食べる」「あそぶ」「ねる」のリズムを作っていきます。
室内のあかり、温度、寝ている姿勢などに目を配り睡眠中の体調の変化を見ています。